「インプラントの将来的なリスクとは?」
「インプラントの寿命や将来のリスクについて知りたい」
「高齢になったときに治療が続けられるか確認したい」
上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療を検討しているものの、将来的なトラブルや失敗のリスクに対して不安を感じているのではないでしょうか。
インプラントの治療を受ける際、将来のリスクや維持方法についてしっかりと把握しておくことが大切です。
しかし、治療後のメンテナンスや予期しない問題について考えたことがない方もいるでしょう。
本記事では、「インプラントの将来的なリスクや、長期的なメリット」を紹介します。
将来を考えるとインプラントはしない方が良いのかまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラントの将来的なリスク
インプラントの将来的なリスクは、以下の8つです。
- インプラント周囲炎で歯茎や骨が弱る
- 被せ物(上部構造)が壊れる・外れる
- 歯茎が下がり見た目が悪くなる
- 加齢や病気で維持が難しくなる
- 修理や再治療で追加費用がかかる
- 歯ぎしりや食いしばりで過度な力がかかる
- 喫煙で歯茎の免疫力が低下する
- 歯科医院の定期検診を怠る
それぞれ解説します。
インプラント周囲炎で歯茎や骨が弱る
インプラントにおいて最も注意すべき病気がインプラント周囲炎です。
インプラントに関連する歯周病で、進行すると顎の骨を溶かしてしまい、最悪の場合インプラントが抜けてしまうリスクを伴います。
原因はインプラント周りに付着した細菌で、歯茎に炎症が起こり、そこから骨を破壊していきます。
とくにインプラントは神経がないため、症状が現れにくく、気づいたときには進行しているケースが多いです。
インプラントの寿命に大きく影響するのが、インプラント周囲炎です。
被せ物(上部構造)が壊れる・外れる
インプラント本体は非常に長持ちしますが、上に取り付ける被せ物(上部構造)は消耗品で、破損や脱落のリスクがあります。
インプラント本体は丈夫なチタン製ですが、被せ物はセラミックなどで作られているため、時間の経過とともに劣化します。
強い歯ぎしりや硬いものを噛んだ際の衝撃で、ある日突然欠けたり外れたりする場合もあるため注意が必要です。
インプラント治療では、本体だけでなく、被せ物にも寿命があることを理解しておくのが大切です。
歯茎が下がり見た目が悪くなる
加齢などにより歯茎が下がると、インプラントの見た目にも影響が出るリスクがあります。
年齢を重ねると歯茎が薄くなり下がることで、インプラントと歯茎の境目に金属部分が露出してしまう場合があります。
とくに前歯の場合、歯が長く見え、隣の歯との間に黒い三角形の隙間(ブラックトライアングル)ができてしまうケースもあるため注意が必要です。
インプラントは、長期的な使用で、口元の見た目が変化する可能性があることを理解しておきましょう。
加齢や病気で維持が難しくなる
将来的に、加齢や病気によってインプラントの維持が難しくなるリスクにも考慮が必要です。
年齢を重ねると、身体機能や認知機能が低下し、これまで通りのセルフケアや定期的な通院が困難になる場合も多いです。
たとえば、体力の衰えで毎日の歯磨きや、認知症によって通院が難しくなるケースも考えられます。
自身の身体的な変化が、最終的にインプラントの寿命を縮める原因となる場合があります。
修理や再治療で追加費用がかかる
インプラントに問題が発生した場合、修理や再治療に伴う高額な追加費用が発生する経済的なリスクもあります。
インプラント治療は自由診療であり、健康保険が適用されないため、治療費は高額です。
将来的に、被せ物の交換やインプラント周囲炎の治療が必要になる場合、その都度まとまった費用がかかります。
そのため、治療開始時だけでなく、将来のメンテナンス費用についても十分に考慮しておくことが重要です。
歯ぎしりや食いしばりで過度な力がかかる
歯ぎしりや食いしばりの癖は、インプラントに過度な負担をかけ、破損や脱落のリスクを高める要因です。
とくに睡眠中などの無意識の歯ぎしりは、食事中と比べてはるかに強い力で歯をすり合わせている場合があります。
この強い力がインプラントに繰り返しかかることで、被せ物が欠けたり、インプラント本体と骨の結合が崩れたりする原因になります。
もしご自身にこうした癖がある場合、インプラント治療には特別な注意が必要です。
喫煙で歯茎の免疫力が低下する
喫煙はインプラント周囲炎のリスクを大幅に高め、インプラントの寿命を短くする原因です。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があり、これが歯茎の血流を悪化させます。
血流が悪くなることで、細菌に対する抵抗力が低下し、炎症が発生しやすく、治りにくくなります。
喫煙習慣は、インプラントの長期的な成功を妨げる重要なリスク要因となります。
歯科医院の定期検診を怠る
インプラントの成功は、歯科医院での定期的なメインテナンスを続けることにかかっています。
日々のセルフケアは大切ですが、自己ケアでは取り除けない汚れや初期の異常をプロの目で確認してもらうことが必要です。
たとえば、噛み合わせのわずかな変化や初期のインプラント周囲炎などは、定期検診でないと見逃されがちです。
治療後のメンテナンスを怠ることで、インプラントの失敗につながる場合もあります。
将来を考えるとインプラントはしない方が良いのか?
結論、インプラントを避けるべきだと一概に言うことはできません。
インプラントに将来的なリスクは存在しますが、日々の丁寧なセルフケアと定期的な歯科医院でのプロフェッショナルケアによって管理できます。
リスクよりも、長期的に得られるメリットの方が大きい可能性も十分にあります。
リスクだけを見て諦めるのではなく、歯科医師と相談のうえ、自身に最適な治療を選択するのがおすすめです。
インプラント治療がもたらす長期的なメリット
インプラント治療がもたらす長期的なメリットは、以下の9つです。
- 自分の歯のようにしっかり噛める
- 残っている健康な歯を守れる
- 見た目が自然で美しい
- 食事の楽しみが広がり栄養バランスが整う
- 発音が安定し会話を楽しめる
- 顎の骨が痩せるのを防げる
- 日々の手入れがしやすい
- 自信を取り戻し精神的に満足できる
- 口腔全体の健康を維持しやすくなる
ひとつずつ解説します。
自分の歯のようにしっかり噛める
インプラントは、自分の歯のようにしっかりと何でも噛めるようになるメリットがあります。
インプラントは顎の骨に直接固定されるため、入れ歯のようにズレたり、ブリッジのように土台を気にしたりする必要がありません。
硬いおせんべいや粘着性のあるお餅など、これまで避けていた食べ物も気兼ねなく楽しめます。
この「噛める喜び」は、日々の食生活を豊かにしてくれる、何にも代えがたい利点です。
残っている健康な歯を守れる
インプラントは、ブリッジや部分入れ歯とは異なり、残っている健康な歯に負担をかけないメリットがあります。
ブリッジ治療では、失った歯の両隣の健康な歯を大きく削らなければなりません。
また、部分入れ歯は、バネをかけた歯に負担がかかり、その歯の寿命を縮める可能性があります。
インプラントは独立した治療法のため、ほかの大切な歯を守れます。
見た目が自然で美しい
インプラントは、天然歯とほとんど見分けがつかないほど、自然で美しい見た目を再現できます。
これは、透明感や色調を細かく調整できるセラミックなどの高品質な素材を使用するためです。
たとえば、隣の歯と色味を合わせることで、会話している距離では人工歯だと気づかれにくい仕上がりになります。
インプラントの高い審美性は、口元のコンプレックスを解消し、精神的な満足感にもつながります。
食事の楽しみが広がり栄養バランスが整う
噛む機能が回復することで、食事の楽しみが戻り、全身の健康維持にもつながります。
食べられるものの幅が広がるため、さまざまな食材からバランスよく栄養の摂取が可能です。
たとえば、噛み応えのある根菜や食物繊維が豊富なきのこ類なども、しっかり噛んで食べられます。
豊かな食生活は、健康寿命を延ばすためにも重要です。
発音が安定し会話を楽しめる
インプラントにすることで、言葉が明瞭になり、人との会話を気兼ねなく楽しめます。
入れ歯のようにズレたり空気が漏れたりする心配がなく、顎の骨にしっかり固定されているためです。
とくに「サ行」や「タ行」など、息が漏れやすい発音もはっきり話せるようになります。
ストレスのない円滑なコミュニケーションは、社会的なつながりを保つうえでも重要なポイントです。
顎の骨が痩せるのを防げる
インプラントは、噛む刺激を骨に直接伝えるため、顎の骨が痩せていくのを防ぐ効果が期待できます。
歯を失った部分の骨は、刺激がなくなることで徐々に吸収されてしまいますが、インプラントは天然歯の根のように骨に刺激を与えるため、骨の維持が可能です。
その結果、歯が失われた部分の口元がくぼんで老けた印象を防ぎます。
インプラントは、長期的に若々しい口元を保つのに役立ちます。
日々の手入れがしやすい
インプラントは、基本的なケアが自分の歯と同じように歯磨きで済む点もメリットです。
入れ歯のように、毎食後に取り外して洗浄したり、就寝時に洗浄液に浸けたりする必要はありません。
もちろん、インプラント専用の丁寧なブラッシングは必要ですが、日常の生活習慣のなかでスムーズにケアを取り入れられます。
手入れのしやすさは、長期的に使用するうえで重要なポイントです。
自信を取り戻し精神的に満足できる
インプラントは、口元の機能と見た目を改善することで、精神的な満足感や自信を与えてくれます。
たとえば、食事や会話、笑顔といった日常的な行動を何の気兼ねもなく楽しむことが可能です。
口元を気にせずに笑えるようになったり、好きな食べ物を美味しく楽しめるようになったりすることで、気持ちが前向きになれます。
生活の質の向上は、人生をより豊かにする大きなメリットです。
口腔全体の健康を維持しやすくなる
インプラントの定期検診に通う習慣を身につけることで、口の中全体の健康を保ちやすくなります。
インプラントを長持ちさせるためには、数ヶ月に一度のプロフェッショナルによるメインテナンスが欠かせません。
メインテナンスでは、インプラントだけでなく、ほかの歯の虫歯や歯周病もチェックされるため、トラブルの早期発見や早期治療が可能です。
インプラント治療が、口腔全体の健康を守る大切なきっかけにもなります。
インプラントで将来的に後悔しないための歯科医院の選び方
インプラントで将来的に後悔しないための歯科医院の選び方は、以下の4つです。
- インプラントの経験が豊富で専門資格を持つ医師がいる
- 歯科用CTなど精密検査のための設備が整っている
- 将来のリスクや費用について丁寧に説明してくれる
- 治療後の保証や長期的なメインテナンス体制がある
それぞれ解説します。
インプラントの経験が豊富で専門資格を持つ医師がいる
インプラントで将来的に後悔しないために重要なのは、治療を担当する歯科医師の経験と専門性です。
学会などが認定する専門医資格は、一定水準以上の知識と技術を持っていることを客観的に証明します。
豊富な症例経験を持っていることはもちろん、カウンセリングの際には、これまでの実績や症例写真を見せてもらい、信頼できる医師かどうかを確認しましょう。
安心して治療を任せられる医師を選ぶことが、後悔しないための第一歩となります。
歯科用CTなど精密検査のための設備が整っている
安全で正確な手術をおこなうためには、歯科用CTなどの高度な設備が必要です。
術前に歯科用CTで撮影することで、顎の骨の厚みや硬さ、神経や血管の位置を三次元的に正確に把握できます。
結果的に、手術のリスクを最小限に抑え、一人ひとりに最適な治療計画を立てることが可能になります。
もしCT設備が院内にない歯科医院の場合は、慎重に選ぶのが大切です。
将来のリスクや費用について丁寧に説明してくれる
インプラント治療のメリットだけでなく、リスクや治療の総額費用についても、患者が納得するまで丁寧に説明してくれる医院を選びましょう。
長期にわたる高額な治療だからこそ、十分な情報提供に基づいて患者自身が納得すること(インフォームド・コンセント)が不可欠です。
とくに、保証内容や期間、治療後のメンテナンスにかかる費用は、事前にしっかり確認しておくべき重要なポイントです。
質問しやすい雰囲気で、疑問に誠実に答えてくれる姿勢は、信頼できる医院を見極める際の大きな判断基準となります。
治療後の保証や長期的なメインテナンス体制がある
治療後の保証制度と、長期的なメンテナンス体制が整っていることを必ず確認しましょう。
インプラント治療は、治療が終わった後が本当のスタートであり、長期的に安定させるためには定期的なメンテナンスが欠かせません。
万が一トラブルが起きた場合にどのような保証が受けられるか、また、転居などの状況に対応できる継続的な通院体制が整っているかを確認するのが重要です。
治療後の長期的な安心感を提供してくれる医院を選ぶことで、将来の後悔を防げます。
まとめ
インプラントは、将来的にリスクがあることも理解しておく必要がありますが、リスクに対する適切な対策を講じることで、メリットを長期間維持することが可能です。
また、定期的なメンテナンスや適切なケアをおこなうことが、インプラントの寿命を延ばし、健康な口元を保つためのポイントとなります。
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もし将来的にリスクをできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。