「奥歯のインプラントのデメリットとは?」
「奥歯のインプラントのメリットも知りたい」
「奥歯のインプラント手術時の痛みやダウンタイム、生活への影響を知りたい」
上記の疑問をお持ちの方は、奥歯の欠損で噛みにくく、食事や仕事中のストレスが増えている状況に不安があるのではないでしょうか。
奥歯のインプラントは「よく噛める・安定する」という大きなメリットがある一方で、奥歯特有のデメリットもあります。
本記事では、「奥歯のインプラントのデメリットとメリット、歯科医院の選び方」を紹介します。
奥歯インプラントの治療期間と術後のダウンタイムまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
奥歯をインプラントにする6つのデメリット
奥歯をインプラントにするデメリットは、以下の6つです。
- 保険適用外のため治療費が高額になる
- 外科手術が必要で身体的な負担がかかる
- 治療完了までの期間がほかの治療よりも長い
- 骨不足の場合は追加の手術が必要になる
- 治療後も定期的なメインテナンスが欠かせない
- 天然歯と同様にインプラント周囲炎のリスクがある
それぞれ解説します。
保険適用外のため治療費が高額になる
インプラント治療は、他の治療法に比べて非常に高額な費用がかかることが大きなデメリットです。
基本的に、公的医療保険が適用されない自由診療のためです。
奥歯1本あたりの費用相場は「30万円〜50万円程度」となることが多く、ブリッジや入れ歯の保険診療と比較して、経済的な負担が大きくなります。
歯科医院によって費用設定が異なるため、事前にしっかり確認が必要です。
インプラント治療を検討する際は、治療費が高額になる点を十分に理解しておく必要があります。
外科手術が必要で身体的な負担がかかる
インプラント治療では、インプラント体を顎の骨に埋め込むための外科手術が必要となり、身体的な負担がかかります。
外科手術を伴うため、糖尿病や高血圧などの持病を持つ方、特定の薬を服用している方は、治療の可否について慎重な判断が必要です。
手術後は、痛みや腫れ、内出血などのダウンタイムが生じる可能性があり、患者様の体質や手術内容によって程度が異なります。
外科手術が避けられないインプラント治療では、術後の身体的な負担や合併症のリスクについても考慮に入れることが大切です。
治療完了までの期間がほかの治療よりも長い
インプラント治療は、他の治療法と比べて、治療完了までに非常に長い期間を要します。
インプラント体が顎の骨としっかりと結合し、安定するまでの期間(オッセオインテグレーション)が必要不可欠です。
骨の結合期間は、骨が比較的柔らかい上顎で3〜6カ月、骨が硬い下顎で2〜3カ月が目安です。
これに、人工歯を装着する工程が加わります。
また、骨量が不足している場合は、骨造成などの追加処置が必要になり、治療期間が1年以上におよぶこともあります。
治療開始からインプラントを完全に使えるようになるまでには、長期間の計画的な通院が必要です。
骨不足の場合は追加の手術が必要になる
顎の骨量が不足している場合、インプラントを安全に埋入するために骨造成という追加の手術が必要になることがあります。
とくに奥歯は、上顎洞が近接している、下顎では神経が走行しているなどの理由から、骨量が不足しやすい部位です。
骨造成(GBRやサイナスリフトなど)は、インプラントの土台となる骨を増やす高度な手術であり、治療期間が延長されるだけでなく、5万円〜20万円程度の追加費用が発生する可能性があります。
骨量が不足している場合は、追加の手術とそれに伴う費用や期間の増加を考慮しなければなりません。
治療後も定期的なメインテナンスが欠かせない
インプラントを長期間安定して使用するためには、治療が完了したあとも、定期的なメインテナンスが不可欠です。
インプラントは虫歯にはなりませんが、天然歯と同様に歯周病に似た「インプラント周囲炎」のリスクがあるためです。
歯科医院では、通常3カ月〜6カ月ごとに定期検診とプロフェッショナルクリーニングをおこない、インプラント周囲炎の早期発見と予防に努めます。
インプラント治療後は、セルフケアと並行して歯科医院での継続的な管理が必要となる点を理解しておきましょう。
天然歯と同様にインプラント周囲炎のリスクがある
インプラントは天然歯と同様に、インプラント周囲の組織が炎症を起こす「インプラント周囲炎」を発症するリスクがあります。
インプラント周囲炎は、適切なブラッシングや定期検診を怠ることで、インプラントの周りに歯垢が溜まり、炎症が広がることで発生します。
重度に進行すると、インプラントを支えている顎の骨が溶けてしまい、最終的にはインプラント体が抜け落ちる重大な事態につながります。
このインプラント周囲炎を予防するためには、日々の丁寧なセルフケアと、歯科医院での専門的なメインテナンスが非常に重要です。
奥歯をインプラントにする7つのメリット
奥歯をインプラントにするメリットは、以下の7つです。
- 健康な歯を削らずに残存歯の寿命を守れる
- 天然歯と同等の咀嚼力で硬い食べ物も楽しめる
- 入れ歯のような異物感がなく会話や食事がしやすい
- 顎の骨が痩せるのを防ぎ若々しい顔立ちを保てる
- 毎日の取り外しが不要でメインテナンスがしやすい
- 自然な見た目で大きな口を開けても気にならない
- ほかの治療法と比較して寿命が長く長持ちする
ひとつずつ解説します
健康な歯を削らずに残存歯の寿命を守れる
インプラント治療の大きな利点は、失った歯の両隣にある健康な歯を削る必要がないことです。
ブリッジ治療のように両隣の歯を削って土台にする必要がなく、インプラントは単独で顎骨に埋め込まれるためです。
また、入れ歯のように残存歯にバネをかけて負担をかけることもないため、周囲の歯への負担を最小限に抑え、残りの健康な歯の寿命を保つことにつながります。
インプラントは、周囲の歯を犠牲にすることなく欠損部を補うことができる、非常に優れた治療法です。
天然歯と同等の咀嚼力で硬い食べ物も楽しめる
奥歯をインプラントにすることで、天然歯とほぼ同等の高い咀嚼力を回復できます。
インプラント体が顎の骨と強固に結合するため、噛む力が骨に直接伝わり、安定した噛み心地を得られるためです。
その結果、入れ歯やブリッジでは難しかった硬いおせんべいや繊維質の多い肉類なども、しっかりと噛み砕いて食事を楽しめます。
食べたいものを自由に選べるようになることは、食事の質の向上と生活の満足度向上に大きく貢献します。
入れ歯のような異物感がなく会話や食事がしやすい
インプラント治療は、入れ歯特有の異物感がほとんどなく、快適に会話や食事ができるというメリットがあります。
入れ歯のように歯茎を覆う床(土台)や、残っている歯に引っ掛ける金属のバネが存在しないためです。
顎の骨にしっかりと固定されているため、会話中にずれる心配がなく、発音にも影響を与えにくく、自然な感覚で日常生活を送れます。
この快適性の高さが、インプラントが多くの患者様に選ばれる理由となっています。
顎の骨が痩せるのを防ぎ若々しい顔立ちを保てる
インプラント治療は、歯を失った後に起こる顎の骨の吸収(痩せ)を防ぐ効果が期待できます。
食べ物を噛む力がインプラントを介して顎の骨に直接伝わることで、骨に適度な刺激が与えられ、骨の代謝が維持されるためです。
骨が痩せると、歯茎が下がり、顔の輪郭が変わって老けて見える原因となりますが、インプラントはこれを予防する働きがあります。
結果的に、長期間にわたり若々しい顔立ちを保つことにもつながるため、審美性にも優れた効果があります。
毎日の取り外しが不要でメインテナンスがしやすい
インプラントは、毎日の取り外しが必要な入れ歯とは異なり、手入れが非常に簡単です。
顎の骨に固定されており、天然歯と同じように扱うことができるためです。
専用の洗浄剤に浸す必要がなく、通常の歯磨きとデンタルフロスや歯間ブラシを使ったセルフケアが中心となります。
手間のかかる取り外し作業がないため、日常のメインテナンスをストレスなく続けやすいです。
自然な見た目で大きな口を開けても気にならない
インプラントは、天然歯と見分けがつかないほど自然で美しい見た目を実現できます。
人工歯の色や形を周囲の天然歯に合わせて細かく調整できることに加え、インプラント体が歯茎の中に隠れて見えない構造のためです。
奥歯であっても、大きく口を開けて笑ったり会話したりしても、治療していることが他人に気づかれにくいという高い審美性が得られます。
審美性の高さは、患者様の精神的な満足度や自信の向上にも大きく貢献します。
ほかの治療法と比較して寿命が長持ちする
インプラントは、ブリッジや入れ歯などのほかの治療法と比較して、非常に寿命が長く長持ちすることが期待できます。
適切なメインテナンスがおこなわれた場合のインプラントの10年生存率は90%以上というデータがあり、長期間の機能維持が証明されているからです。
定期的なメインテナンスと適切なセルフケアを継続すれば、20年、30年と使用することも十分に可能です。
インプラント治療は、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスが高い治療法であると評価されています。
奥歯インプラントの治療期間と術後のダウンタイム【痛み・腫れ】
奥歯インプラントの治療期間と術後のダウンタイムについて、以下に紹介していきます。
- 上顎と下顎で治療期間の目安や通院頻度が異なる
- 術後の痛みや腫れは数日から1週間程度で落ち着く
- 手術当日は飲酒や入浴など血行が良くなる行動を控える
- 仕事や家事などの日常生活へは翌日から復帰できる
それぞれ解説します
上顎と下顎で治療期間の目安や通院頻度が異なる
インプラント治療の期間は、インプラントを埋入する部位が上顎か下顎かによって目安が異なります。
一般的に、上顎の骨は下顎の骨よりも密度が低く柔らかいため、インプラントが骨と結合するまでに時間がかかる傾向があるためです。
具体的には、上顎で3カ月〜6カ月、下顎で2カ月〜3カ月の結合期間が必要とされ、これに通院回数(4〜8回程度)と人工歯の作製期間が加わります。
ご自身の治療部位が上顎か下顎かによって、治療完了までのスケジュール感に違いがあることを理解しておきましょう。
術後の痛みや腫れは数日から1週間程度で落ち着く
インプラント手術後の痛みや腫れは、過度に心配する必要はなく、通常は短期間で治まります。
現在のインプラント手術は医療技術の進歩により、体への負担が最小限に抑えられているためです。
痛みが発生した場合でも、歯科医院で処方される鎮痛剤で十分にコントロールが可能であり、腫れや痛みは手術から数日、長くても1週間程度で自然に落ち着くことが一般的です。
術後の症状が長引く場合は、速やかに歯科医院に連絡することが大切です。
手術当日は飲酒や入浴など血行が良くなる行動を控える
インプラント手術の当日は、血行が良くなるような行動は控えることが重要です。
血行が促進されると、手術部位の出血や腫れがひどくなる原因となるからです。
具体的には、飲酒、激しい運動、長時間の入浴(シャワーは可)などは避け、安静に過ごすようにしましょう。
また、喫煙は傷の治りを遅らせるため、控えるべきです。
手術当日の過ごし方で、術後の回復の早さが大きく左右されることを覚えておきましょう。
仕事や家事などの日常生活へは翌日から復帰できる
インプラント手術は、通常、翌日からは仕事や家事などの通常の日常生活に復帰できます。
局所麻酔でおこなわれる手術が一般的であり、全身麻酔のような大きな負担がないからです。
ただし、激しい運動や重労働を伴う仕事の場合は、術後数日間は控えるなどの配慮が必要です。
無理せず、体調を最優先して過ごすようにしましょう。
インプラント手術は、生活への影響を最小限に抑えながら進めることが可能です。
奥歯インプラントで失敗しないための歯科医院の選び方
奥歯インプラントで失敗しないための歯科医院の選び方は、以下の6つです。
- CT撮影による精密検査をおこないリスクの説明が丁寧である
- 感染対策が徹底されており専用の手術設備が整っている
- 骨造成が必要な奥歯の難症例への治療実績が豊富である
- 治療費の総額提示や内訳が明確で透明性が高い
- 持病や服用薬を考慮した安全な計画を提案できる
- 術後の長期保証制度とメインテナンス体制が充実している
ひとつずつ解説します。
CT撮影による精密検査をおこないリスクの説明が丁寧である
CT撮影による精密な検査と、リスクに関する丁寧な説明をおこなう歯科医院を選ぶべきです。
インプラント治療には顎の骨の厚みや神経・血管の位置を三次元的に把握することが必須のためです。
CTスキャンで得られた正確な情報にもとづき、骨造成の必要性や手術のリスク、予後について、患者様が完全に納得できるまで丁寧に説明してくれる医師を選ぶことが、治療への不安を解消します。
精密な診断と十分な説明は、安全で確実な治療計画の基盤となります。
感染対策が徹底されており専用の手術設備が整っている
インプラント手術をおこなう歯科医院は、感染対策が徹底され、専用の手術設備が整っていることが重要です。
インプラント手術は外科手術であり、手術中の感染は治療の失敗に直結する大きなリスクとなるためです。
個室の手術室や、使用する器具の「専用の滅菌設備」が完備されているなど、衛生管理への意識が高い医院を選ぶことが、安全な手術環境を確保します。
清潔な環境で手術を受けられることは、治療の安全性を高めるための必須条件です。
骨造成が必要な奥歯の難症例への治療実績が豊富である
奥歯のインプラント、とくに骨造成が必要な難症例に対して、豊富な治療実績を持つ歯科医院を選ぶことが成功につながります。
奥歯の骨造成は解剖学的に難易度が高く、高度な技術と経験が必要とされるためです。
難症例への対応力は、医師の技術力と経験を示す重要な指標となるため、ホームページやカウンセリングで過去の症例数や実績について確認しましょう。
難症例にも対応できる高い技術力を持つ医院を選ぶことで、治療の成功率が大きく向上します。
治療費の総額提示や内訳が明確で透明性が高い
治療費の総額提示と内訳が明確で、透明性の高い費用体系を持つ歯科医院を選びましょう。
インプラント治療は高額な自由診療であり、後から予期せぬ追加費用が発生すると患者様の大きな負担となるためです。
最終的な治療費の総額はもちろん、使用するインプラント体や人工歯のメーカー、手術費用や薬代など、すべての費用について明瞭な説明があるかを確認することが大切です。
費用に関する不安を残さず、安心して治療を進められる医院を選ぶことが重要です。
持病や服用薬を考慮した安全な計画を提案できる
糖尿病や高血圧などの持病、または服用している薬を考慮した、安全性の高い治療計画を提案できる歯科医院を選ぶ必要があります。
全身疾患や薬のなかには、インプラント手術後の傷の治りや骨の結合に影響をおよぼすものがあるためです。
事前の問診で健康状態を詳細に把握し、必要に応じてかかりつけ医と連携を取るなど、安全を最優先にした計画を立ててくれる医師を選ぶべきです。
全身の健康状態をトータルで管理しながら治療を進められるかどうかが、安全なインプラント治療の鍵となります。
術後の長期保証制度とメインテナンス体制が充実している
治療完了後のインプラントを長持ちさせるため、長期保証制度とメインテナンス体制が充実している歯科医院を選びましょう。
インプラントは長期間の使用において、予期せぬトラブルが発生する可能性があるためです。
インプラント体や人工歯に対する数年から10年程度の長期保証があるか、また、定期メンテナンス(3カ月〜6カ月ごと)を継続的にサポートしてくれる体制が整っているかを確認しましょう。
充実したアフターフォロー体制は、インプラントを安心して使い続けるために重要です。
まとめ
奥歯のインプラント治療は、ほかの治療法にはない優れたメリットを持つ一方、いくつかの重要なデメリットも伴います。
咀嚼力回復、残存歯の保護、顎骨維持という大きな利点がある反面、高額な費用や外科手術、長期の治療期間といった側面があるためです。
奥歯のインプラントを成功させるには、これらのメリットとデメリットを正しく理解し、CT診断や難症例への実績、長期保証など、安全で信頼性の高い歯科医院を選ぶことにあります。
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もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心して奥歯のインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。