「インプラント治療で医療費控除はどのくらい戻ってくる?」
「インプラントが医療費控除の対象になるのか明確に知りたい」
「費用面の不安を解消し、安心してインプラント治療を検討したい」
上記の疑問をお持ちの方は、インプラント治療を検討中だが費用が高く、医療費控除でどのくらい戻るのか分からず不安があるのではないでしょうか。
インプラント治療は高額な自由診療ですが、医療費控除の制度を活用することで、支払った費用の一部が税金から還付・軽減され、経済的な負担を大幅に減らすことが可能です。
本記事では、「インプラント治療で医療費控除はどのくらい戻ってくるのかと申請方法」を紹介します。
医療費控除の申請期間と提出期限まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療は医療費控除の対象です
インプラント治療は、基本的に医療費控除の対象となります。
- 医療費控除とはどんな制度?
- 対象となる歯科治療の条件と範囲
上記について、ひとつずつ解説します。
医療費控除とはどんな制度?
医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計額が一定額を超えた場合に、その超過分を所得から差し引くことができる制度です。
目的は、高額な医療費を支払った納税者の税負担を軽減することにあります。
控除対象額は、支払った医療費から保険金等で補填された金額を引き、10万円(または総所得金額の5%)を差し引いた金額です。
適用されると、所得税が還付され、翌年度の住民税が軽減されます。
高額なインプラント治療を受けた際には、必ず利用を検討すべき制度です。
対象となる歯科治療の条件と範囲
医療費控除の対象となる歯科治療は、インプラント治療の他にも多岐にわたります。
医師の診療にもとづき、噛む機能の回復を目的とした治療(セラミック治療や子どもの矯正治療など)も含まれます。
これは、病気の治療や予防として認められる医学的根拠に基づいた費用が対象となるためです。
治療費本体だけでなく、通院に必要な電車代やバス代といった公共交通機関の費用も対象範囲です。
機能回復を目的とした高額な自費診療の領収書と、通院時の記録を合わせて保管することが重要です。
デンタルローンやクレジットカード払いも控除の対象
デンタルローンやクレジットカード払いも控除の対象です。
- ローンや分割払い時の注意点と領収書の扱い
- 金利や手数料は控除対象外
上記について、それぞれ解説します。
ローンや分割払い時の注意点と領収書の扱い
デンタルローンを利用する際、医療費控除の対象となるのは、信販会社が医療機関に治療費全額を立替払いした年です。
患者様が分割で支払っている途中でも、治療費の債務が信販会社に移った時点で支払い済みと見なされるためです。
なお、自費診療のインプラントは「医療費のお知らせ」には通常記載されません。
申告の際には、医療機関が発行した領収書にもとづき明細書を作成し、領収書は自宅で5年間保管する必要があります。
申告対象となる年や必要書類を間違えないよう、すべての書類を適切に管理することが重要です。
金利や手数料は控除対象外
デンタルローンやクレジットカードの分割払いで発生する金利や手数料は、医療費控除の対象外となります。
これは、金利や手数料が病気の「治療」のために直接支払われた費用ではないと見なされるためです。
医療費控除の対象として認められるのは、インプラント治療そのものにかかった費用、つまり治療費の元金部分のみです。
ローン契約を結ぶ際には、総支払額ではなく、治療費の元本がいくらであるかをしっかりと確認しておく必要があります。
控除を申請する際は、金利分を差し引いた治療費本体の金額を正確に申告するように注意しましょう。
インプラント治療で医療費控除はどのくらい戻ってくる?
インプラント治療で医療費控除はどのくらい戻ってくるのか、以下の3ステップで紹介します。
- ステップ1:医療費控除対象額を計算する
- ステップ2:還付される所得税額を計算する
- ステップ3:減額される住民税額を計算する
ひとつずつ解説します
ステップ1:医療費控除対象額を計算する
医療費控除によって税金が軽減される額を計算する前に、まず「医療費控除対象額」を算出する必要があります。
この対象額は、「実際に支払った医療費の合計額」から「保険金などで補填された金額」を差し引きます。
さらに、原則として10万円(または総所得金額の5%)を差し引くことで計算されます。
ただし、この医療費控除対象額には、年間200万円という上限額が定められています。
この計算によって、税金の還付・軽減の対象となる医療費の超過分が明確になります。
ステップ2:還付される所得税額を計算する
医療費控除対象額が算出できたら、次に還付される所得税額を計算します。
計算式は、「医療費控除対象額」に申告者の「所得税率」を乗じるという非常にシンプルなものです。
所得税率は、課税所得によって段階的に定められているため、ご自身の年間の所得金額を確認する必要があります。
控除対象額が大きいほど、また所得税率が高いほど、還付される所得税額は増加する仕組みです。
このステップにより、国から実際に返金される所得税のおおよその金額を把握することができます。
ステップ3:減額される住民税額を計算する
所得税の還付額の計算に加え、医療費控除によって翌年度の住民税も軽減されます。
住民税の減額分を計算する場合も、ステップ1で算出した医療費控除対象額を利用します。
住民税の税率は、所得に関わらず原則として一律10%で計算されることになっています。
計算式は、「医療費控除対象額」に10%を乗じることで、減額される住民税額を算出します。
医療費控除の適用を受けることで、所得税の還付と住民税の減額という二重の税負担軽減効果を得ることができます。
医療費控除の申請方法と必要なもの
医療費控除の申請方法と必要なものを、以下にそれぞれ解説していきます。
申請に必要な書類・準備するもの
申請に必要な書類・準備するものは、以下のとおりです。
- 医療費通知(医療費のお知らせ)や領収書
- 医療費控除の明細書
- 確定申告書・本人確認書類
それぞれ解説します。
医療費通知(医療費のお知らせ)や領収書
医療費控除の申請では、健康保険組合から送付される「医療費通知」を利用できます。
これに記載されている医療費は、明細書への個別の記入を省略できるメリットがあります。
しかし、インプラントなどの自由診療は保険適用外のため、この医療費通知には記載されません。
そのため、インプラント治療費については、医療機関から発行された領収書にもとづき、明細書にその都度記載する必要があります。
領収書は税務署への提出は不要ですが、自宅で5年間保管することが義務付けられていますので、紛失しないようにしましょう。
医療費控除の明細書
医療費控除の明細書は、国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を利用して作成するのが最も効率的です。
このコーナーでは、支払った医療費の総額や保険金などの情報を入力するだけで、控除対象額が自動で計算されます。
これにより、複雑な計算をおこなう必要がなくなり、計算ミスを防ぐことができます。
作成された明細書は、確定申告書と合わせてe-Taxで提出することも、印刷して郵送・持参することも可能です。
正確かつ簡単に申請書類を作成するためにも、作成コーナーの活用をおすすめします。
確定申告書・本人確認書類
医療費控除の申請には、所得金額や控除額などを記載する「確定申告書」が必要です。
また、申告者が本人であることを証明するため、本人確認書類の準備も必須となります。
本人確認書類として最も推奨されるのがマイナンバーカードであり、番号確認と身元確認の両方が一度で完了します。
とくに、e-Taxを利用して申告を行う場合は、マイナンバーカードによる電子署名が必須です。
マイナンバーカードがあれば、より簡便かつ安全に確定申告の手続きを完了させることができます。
申請の手順と提出方法
申請の手順と提出方法は、以下のとおりです。
- 税務署へ持参・郵送する場合
- e-Tax(スマホ・PC)で申請する場合
ひとつずつ解説します
税務署へ持参・郵送する場合
税務署へ持参または郵送する場合は、すべての必要書類を漏れなく準備することが重要です。
提出書類には、確定申告書と医療費控除の明細書、給与所得者は源泉徴収票が含まれます。
持参する場合は、確定申告期間中の税務署の開庁時間に窓口で直接提出します。
郵送する場合は、所轄の税務署宛にこれらの書類を同封して送付することで完了します。
郵送の際は、提出期限に間に合うように余裕を持って発送するようにしてください。
e-Tax(スマホ・PC)で申請する場合
e-Taxを利用して申請する場合、マイナンバーカードと、カードの読み取りに対応したスマートフォンが必要です。
国税庁の作成コーナーにアクセスし、案内に従って医療費の情報を入力し、明細書を作成します。
その後、マイナンバーカードで電子署名をおこなうことで、申告書類のデータを税務署に送信します。
この方法では、税務署の窓口に出向く手間がなく、24時間いつでも申請を完了できる大きな利便性があります。
e-Taxは添付書類の提出も省略できるため、最も簡便でスピーディーな申請方法です。
医療費控除の申請期間と提出期限
医療費控除の適用のみを目的とする場合は「還付申告」という扱いになります。
納税者が納め過ぎた税金を返してもらうための手続きであり、通常の確定申告よりも期限に余裕が設けられているためです。
還付申告は「治療を受けた年の翌年1月1日〜5年間」いつでも申請可能です。
通常の確定申告の申請期間は「毎年2月16日〜3月15日」までと定められています。
過去数年分の医療費控除を申請し忘れていた場合でも、遡って申請できる点を知っておくと安心です。
インプラントの医療費控除に関するよくある質問
インプラントの医療費控除に関するよくある質問を以下にまとめました。
- 過去の治療費もさかのぼって申請できる?
- 共働き夫婦の場合はどちらが申告すべき?
- 通院のための交通費は控除に含まれる?
ひとつずつ回答していきます
過去の治療費もさかのぼって申請できる?
インプラント治療費の医療費控除は、過去の分でもさかのぼって申請できます。
申請期限は「治療を受けた年の翌年1月1日〜5年間」です。
領収書などの書類があれば、数年前の治療費でも申告可能なため確認してみましょう。
共働き夫婦の場合はどちらが申告すべき?
共働き夫婦の場合、医療費控除は世帯全体の医療費を合算して申告できます。
この場合、所得が高く税率の高い配偶者が申告すると、還付額が大きくなりやすくなります。
夫婦の所得を比較し、より有利になる方が申告するのがポイントです。
通院のための交通費は控除に含まれる?
通院のための交通費も、医療費控除の対象に含まれます。
対象となるのは電車やバスなどの公共交通機関や、やむを得ない場合のタクシー代で、自家用車のガソリン代や駐車場代は含まれません。
領収書がない場合でも、通院日や経路、運賃を記録しておけば申告できます。
まとめ
インプラント治療は高額になりがちですが、医療費控除を正しく利用することで経済的な負担を大きく軽減できます。
この制度は、機能回復を目的とするインプラント治療費の支払いに伴う税負担を和らげる、大変有用な仕組みです。
デンタルローンを利用した場合や、通院のための公共交通機関の交通費なども控除の対象に含まれます。
久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。
また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。
もし費用負担をできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。