「インプラントのオールオン4と総入れ歯」の違いについて知っていますか?
オールオン4とは、インプラント治療の一種であり、すべての歯を失った場合に提供される治療法です。
顎の骨に埋め込むための人工歯根を4つ使用したうえで、すべての人工の歯を乗せて歯列を回復させます。
「すべての歯を治療するにはどっちがいいだろう?」「オールオン4と総入れ歯の主な違いはどこ?」と考える方は多いと思います。
そこで今回は、以下の内容について解説します。
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この記事を読むことで、それぞれの治療の特徴を理解し、自分に合った治療が見つかるでしょう。
「インプラントオールオン4と総入れ歯の治療のどちらかで迷っている」という方は、ぜひ参考にしてください。
総入れ歯と比較したインプラントオールオン4のメリット
総入れ歯と比較したインプラントのオールオン4のメリットは、以下のとおりです。
- 天然歯に近い噛み心地になる
- 顎の骨が痩せるリスクを軽減できる
- 自然で美しい見た目になる
- 寿命が長い
それぞれ詳しく解説します。
天然歯に近い噛み心地になる
なぜなら、インプラント体(人工歯根)が顎の骨に直接固定され、強い噛む力でも安定してくれるからです。
噛む力がしっかりすると、硬い食材でも安心して食べられるようになります。
また、食材が細かく噛み砕けるようになるため、消化しやすくなり、胃や腸への負担が軽減されます。
オールオン4は、天然歯に近い噛み心地を実感でき、安心して食事を楽しめるでしょう。
顎の骨が痩せるリスクを軽減できる
インプラント体が、顎の骨に直接埋め込まれ、噛む力が骨に伝わることで、骨の減少を防ぐことができます。
一方総入れ歯の場合、噛む力が骨に伝わりにくいため、長期間の使用で骨が痩せてしまう可能性があります。
インプラントは噛む刺激が直接骨に伝わるため、骨の吸収を防ぎ、顔のハリを保つことが期待できるでしょう。
自然で美しい見た目になる
オールオン4に使用する人工の歯は、ジルコニアやハイブリッドセラミックなどを使用しています。
ジルコニアとハイブリッドセラミックの主な特徴は、以下のとおりです。
- ジルコニア:生体親和性が高く、耐久性がある
- ハイブリッドセラミック:天然歯に近い透明感とツヤがある
上記の特徴から、見た目に違和感がなく、自然な笑顔を見せられるでしょう。
一方、総入れ歯は「レジン」と呼ばれるプラスチック素材の人工の歯を使用しており、変色や劣化がしやすいです。
したがってオールオン4は、審美性が優れており、自然な印象を与えられます。
寿命が長い
オールオン4の平均寿命は約15年ですが、適切なケアと定期的なメンテナンスを行うことで、約10年〜20年と快適に使用できます。
一方総入れ歯の寿命は、約3〜5年です。
したがって、インプラントオールオン4は総入れ歯より、安定した機能を長期間使い続けられます。
総入れ歯と比較したインプラントオールオン4のデメリット
一方、総入れ歯と比較したインプラントのオールオン4のデメリットは、以下のとおりです。
- 外科手術が必要になる
- 高額な費用がかかる
- 心身負担がかかる
- 定期的な検診やケアを欠かせない
それぞれ詳しく解説します。
外科手術が必要になる
オールオン4の手術は、歯茎を切開したり、顎の骨を削ったりと高度な技術が必要です。
そのため、手術に対する不安や身体への負担が懸念されます。
また、高齢者や持病を患っている方は手術が難しく、トラブルになる可能性が高くなります。
したがって、インプラントオールオン4は外科手術を避けられない治療法です。
高額な費用がかかる
インプラントオールオン4は、約200〜400万円(片顎)と高額な費用がかかります。
オールオン4の費用は、保険が適用されないため、治療費は全額自己負担です。
費用は、歯科医院によって変動しますが、被せ物の素材や高度な技術、設備などが関係しています。
費用が高く経済的な負担が大きいと言えるでしょう。
心身に負担がかかる
インプラントは、外科手術を行うため、身体的な負担が避けられません。
とくに、高齢者や持病を患っている方は、手術のリスクがより高まるでしょう。
また、手術に伴う痛みや腫れが生じてしまい、術後の回復期間も長いため、精神的にも負担がかかってしまいます。
治療前と術後にカウンセリングを行い、手術に対する不安や精神的なケアが必要です。
定期的な検診やケアを欠かせない
インプラントオールオン4の治療後は、約3〜6ヶ月に1回の定期的な検診やケアが欠かせません。
定期検診やメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎になる可能性があるからです。
毎日のセルフケアはもちろん、治療後の定期検診やメンテナンスでは、インプラントと骨の結合状態を確認したり、噛み合わせや人工歯の装着状態を確認したりする必要があります。
そのため、インプラントオールオン4は、セルフケアでは気づかない定期的な専門的なケアが大切です。
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インプラントオールオン4と比較した総入れ歯のメリット
インプラントオールオン4と比較した総入れ歯のメリットは、以下のとおりです。
- 治療費の負担が軽減される
- 手術がない
- 治療期間が短い
- ネアが楽でいい
さっそく見ていきましょう。
治療費の負担が軽減される
総入れ歯は、保険適用で治療が受けられるため、3割負担の約3,000〜20,000円の治療費で済むでしょう。
そのため、少しでも経済的負担を避けたい方は、総入れ歯がおすすめです。
手術がない
外科手術が不要なため、心身的な負担が軽減されます。
また、リスクがほとんどないため、高齢者や全身疾患を患っている方も治療可能です。
治療期間が短い
総入れ歯の治療は、約2週間〜1ヶ月と短い期間で済みます。
総入れ歯は、外科手術が不要であるため、シンプルな治療法で作製できます。
一方、インプラントオールオン4は、術後の回復期間や人工歯根と骨との結合期間が約3〜6ヶ月と必要になります。
したがって、短期間で治療を終えたい方は、総入れ歯がおすすめです。
ケアが楽
総入れ歯は、カポっと自分で取り外しができます。
そのため、専用の洗浄液やブラシを使用すれば、簡単にケアができます。
ただし、ケアを怠ってしまうと、入れ歯に蓄積した汚れや雑菌が口臭の原因になる可能性があるため、注意が必要です。
総入れ歯は、取り外しが可能なため手軽にお手入れができ、常に清潔に保つことができるでしょう。
インプラントオールオン4と比較した総入れ歯のデメリット
一方、インプラントオールオン4と比較した総入れ歯のデメリットは、以下のとおりです。
- 寿命が短い
- 噛む力に限りがある
- 顎の骨が痩せてしまう
- 見た目に違和感がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
寿命が短い
総入れ歯の寿命は約3〜5年と短いです。
総入れ歯の素材は、レジンといったプラスチックの素材で作られています。
そのため、使用し続けていると摩耗や変形などの劣化が進みやすく、歯茎に適合しなくなったり、不具合が生じたりする可能性が高いからです。
したがって、再調整や新たに作り直しをしなければいけません。
総入れ歯は、寿命が短いため、定期的な交換が必要になり長期的な視点でコストがかかってしまうでしょう。
噛む力に限りがある
総入れ歯は、噛む力に限りがあります。
総入れ歯は、噛む力が直接顎の骨に伝わりにくいため、思い通りに噛む力が入りません。
また、硬い食べ物や粘り気のある食べ物を食べると外れる可能性があります。
そのため、総入れ歯の安定性が欠け、食事の満足度が減少してしまうでしょう。
総入れ歯は、噛む力が制限されやすく食事に影響が出る可能性があります。
顎の骨が痩せてしまう
総入れ歯は、顎の骨が徐々に痩せてしまうことがあります。
顎の骨は噛む力が伝わることで形を維持しています。
しかし総入れ歯は、歯茎上に乗せているのみであるため、顎の骨に直接刺激が伝わりません。
そのため、少しずつ顎の骨が痩せてしまい、入れ歯の装着感が悪くなってしまいます。
また、顎の骨が痩せてしまうと顔の輪郭が変わってしまう恐れがあるでしょう。
見た目に違和感がある
総入れ歯は、人工的な素材で製作されるため、歯の透明感や色合いに違和感がある場合があります。
作製したばかりは、見た目に違和感がない場合もありますが、長期間経てば色合いに黄ばみが出てきたり、歯が摩耗して形が変わったりしてしまいます。
また、総入れ歯が適合していないと、話している際や笑っている際に動いてしまうため、不自然な表情になる可能性が高いです。
したがって、人前で話す自信がなくなってしまい、心理的な負担を感じる場合が考えられます。
インプラントオールオン4に向いている人
インプラントオールオン4に向いている人は、以下のとおりです。
- 顎が痩せて通常のインプラントができない人
- 入れ歯の装着に違和感に悩んでいる人
- 天然歯と同じように食事を楽しみたい人
- 顎の筋力や若々しさを保ちたい人
- 自然な見た目を望んでいる人
費用の安さを選ぶのであれば総入れ歯一択です。
しかし、将来性と生活するストレスなど、総合的なことを含めて見てみるとインプラントがおすすめです。
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まとめ
インプラントと総入れ歯には、それぞれメリットとデメリットがあります。
治療の特徴や費用などの違いを比較し、自分に合った治療の選択を行ってください。
そして、治療に対しての疑問や不安を抱えている方は、インプラントや入れ歯専門の歯科医師に相談してみましょう。