「インプラントは何歳から可能か知りたい」
「インプラントを始めるタイミングとして適切な年齢を知りたい」
「若いうちにインプラント治療をおこなうメリットが知りたい」
インプラントは歯を失った中高齢者がおこなうイメージがあるかもしれませんが、20代からインプラントを装着している方もいます。
インプラント治療は、若い方でも顎の骨の成長が止まっている18歳以上の方であれば、基本的に治療が可能です。
本記事では、「インプラントの適正年齢や治療で考慮すべき注意点」を紹介します。
若い人のインプラント治療のメリットまで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
インプラント治療は何歳から可能か?
インプラント治療における適用年齢について、以下に紹介します。
- 年齢の下限は18歳以上、上限はなし
- 20代からインプラントの人はいる
- インプラント治療ができないケースもある
それぞれ解説します。
年齢の下限は18歳以上、上限はなし
インプラント治療は、顎の骨の成長が完了した18歳以上であれば可能です。
また、年齢の上限はなく、治療の適応は年齢よりも身体の健康状態や骨の質、口腔内の清潔さが求められます。
そのため、高齢者でも全身の健康状態が良好であれば、インプラント治療が可能です。
インプラント治療は、歯科医院での適切な診断により、個人の健康状態や口腔内の状況が総合的に判断がされます。
20代からインプラントの人はいる
厚生労働省の調査によると、インプラント装着者の割合は20代からはじまり、50代からインプラント装着者の割合が増加しています。
また、60代〜70代の年齢層でインプラントの需要が高く、70歳以上75歳未満が最も多い「5.9%」であることがわかっています。
年齢階級(歳) | インプラント装着者(%) |
20~24 | – |
25~29 | 2.6 |
30~34 | 1.3 |
45~49 | 0.7 |
50~54 | 3.2 |
55~59 | 2.9 |
60~64 | 4.5 |
65~69 | 3.6 |
70~74 | 5.9 |
75~79 | 3.9 |
80~84 | 4.9 |
85~ | 2.9 |
インプラント治療ができないケースもある
インプラント治療において、以下に該当する方は治療ができないケースもあります。
- 骨粗しょう症の人
- 口腔内に歯周病や虫歯がある人
- 18歳以下の若い人
- 全身疾患を患っている人
- 腎疾患で血液透析を受けている人
- 妊娠中の人
- タバコを吸っている人
- 定期的な検診やメインテナンスに通えない人
インプラントはすべての方に適している治療ではないため、歯科医師へ相談し、全身の健康状態の確認が不可欠です。
若い人が歯を失ってしまう理由
若い人が歯を失ってしまう理由は、以下の3つです。
- 神経が壊死した虫歯
- 重度の歯周病
- 事故などによる外傷
ひとつずつ解説します。
神経が壊死した虫歯
神経が壊死した重度の虫歯は、早期の治療が必要な若年層でも歯を失う原因です。
神経が壊死すると痛みがなくなり、放置すると感染が進行して、抜歯が必要になるケースもあります。
また、神経が壊死した歯を放置した場合、根の先に膿が溜まり、顎の骨を溶かす可能性もあります。
必要な場合は根管治療がおこなわれますが、再治療が必要となるケースもあるため、早めの処置が必要です。
重度の歯周病
歯周病は、口腔清掃不良の生活習慣病のひとつで、喫煙や不適切な口腔ケアがリスクを高めます。
重度の歯周病になると、歯を支える骨が破壊され、最終的に歯が抜け落ちる場合もあります。
歯周病の予防には、正しいブラッシングや定期的な歯科検診が重要です。
事故などによる外傷
事故などによる外傷は、若年層が歯を失う主要な原因のひとつです。
交通事故やスポーツ中の衝突、転倒などにより、歯が折れたり抜けたりするリスクが高まります。
外傷は即時の対応が歯の保存に重要なため、適切な処置がおこなわれないと、歯の寿命が短くなる場合があります。
若い人がインプラントを検討する際に考慮すべき注意点
若い人がインプラントを検討する際に考慮すべき注意点は、以下の8つです。
- 顎骨の成長が完了しているかを確認する
- 長期的なメインテナンスが必要である
- 成長や加齢による再治療の可能性を理解する
- 治療後のライフイベントを考慮する
- 喫煙や食生活などの生活習慣を見直す
- 保険適用外のため費用が高額になる
- ほかの治療法も事前に比較検討する
- インプラント専門の歯科医師へ相談する
それぞれ解説します。
顎骨の成長が完了しているかを確認する
若年層がインプラント治療を検討する際は、顎骨の成長が完了しているかの確認が重要です。
成長途中でインプラントを埋入すると、歯並びの変化や噛み合わせの不具合が生じる場合あります。
18歳以上でも顎の成長が完了していない場合もあるため、CTやレントゲンで骨の状態を確認しておくのが重要です。
長期的なメインテナンスが必要である
インプラントは、長期間にわたって安定して使い続けるためには、歯科医院での定期的なメインテナンスが不可欠です。
メインテナンスを怠ると、インプラント周囲炎や破損の原因となり、再治療のリスクが高まります。
そのため、メインテナンスの受診は「3〜6カ月に一度」が必要です。
成長や加齢による再治療の可能性を理解する
インプラントは、成長や加齢に対する再治療への可能性の理解が重要です。
成長によって歯列や噛み合わせが変化したり、加齢で骨が痩せたりすると、インプラントと周囲組織との調和が崩れ、再治療が必要になる場合があります。
とくに若年層の方は、将来的な変化を見越した治療計画が必要です。
治療後のライフイベントを考慮する
インプラント治療は、「6カ月〜1年」程度の治療期間を要するため、引越しや結婚などのライフイベントを考慮する必要があります。
もし治療中に転居をおこなう場合、担当医の変更や保証制度の継続に影響をおよぼすケースもあります。
治療開始前に今後のライフイベントを考慮し、計画的に治療スケジュールを立てましょう。
喫煙や食生活などの生活習慣を見直す
喫煙はインプラントの骨結合を妨げ、成功率を低下させる要因です。
硬い食べ物や刺激物の摂取はインプラントに過度な負担をかけ、破損のリスクを高めます。
さらに、睡眠不足やストレスも治癒力を低下させるため、生活習慣の見直しが必要です。
インプラント治療を成功させるためには、禁煙やバランスの取れた食生活、規則正しい生活を心がけましょう。
保険適用外のため費用が高額になる
インプラント治療は基本的に保険適用外の自由診療のため、1本あたり「30万〜50万円」程度の費用がかかります。
インプラントは、保険診療で対応可能な入れ歯やブリッジと比較して、審美性や機能性を追求する高度な治療方法です。
また、外科手術や高品質な材料、専門的な設備が必要となることも費用が高額になる要因になります。
インプラント治療を検討する際は、費用面での計画を立て、医療費控除の活用や分割払いの検討も必要です。
保険適用外であることや高度な技術、設備が必要なためです。
また、高額療養費制度の対象外ですが、医療費控除の適用を受けることで、所得税の軽減が可能です。
治療費の負担を軽減するためには、医療費控除の活用や事前の費用計画が重要です。
ほかの治療法も事前に比較検討する
インプラント治療を検討する際は、入れ歯やブリッジなどのほかの治療法と比較検討も重要です。
入れ歯やブリッジは保険適用で費用を抑えられる一方、インプラントは審美性や機能性に優れていますが、費用が高額で外科手術も必要です。
また、患者の口腔状態やライフスタイルによって、最適な治療法はそれぞれ異なります。
歯科医師と複数の治療法を比較検討し、自身に最適な治療方法を選択しましょう。
インプラント以外の治療方法については、下記の記事で解説しています。
詳細は「インプラントかブリッジか?比較表や迷った際の判断基準まで紹介」をご覧ください。
インプラント専門の歯科医師へ相談する
インプラント治療は外科手術をおこなう必要があり、高度な技術と専門知識が必要なため、専門の歯科医師への相談が重要です。
インプラントの専門医であれば、個人ごとに異なる口腔状態を正確に診断し、最適な治療計画を立てられます。
また、治療後のメンテナンスやトラブル対応も、専門医であれば安心を得られます。
インプラント専門の歯科医師に相談し、信頼できる医療機関を選択するのがおすすめです。
若い人のインプラント治療のメリット
若い人のインプラント治療のメリットは、以下の5つです。
- 自然な見た目で笑顔に自信が持てる
- 将来的な歯の健康を守れる
- 顎の骨の萎縮を防げる
- 手術後の回復が早い
- 定期的なメインテナンスを習慣化しやすい
ひとつずつ紹介します。
自然な見た目で笑顔に自信が持てる
インプラントは、天然歯に近い色や形状の人工歯を使用するため、見た目が自然です。
他人に気づかれにくく、笑顔に自信を持てるようになるため、対人関係や社会生活において積極的になれます。
また、前歯や前歯の周囲などの目立ちやすい部分の欠損を補う際は、とくに見た目を重視したい方にとって、審美性の高いインプラントがおすすめです。
将来的な歯の健康を守れる
インプラントは、将来的な歯の健康を守れる選択肢のひとつです。
隣接する健康な歯を削る必要がないため、歯への負担を軽減ができ、周囲の歯の寿命を延ばせます。
また、適切な口腔ケアをおこなうことで、インプラント自体も長期間にわたり機能を維持できます。
顎の骨の萎縮を防げる
歯を失うと、顎の骨の刺激も失われるため、徐々に萎縮していきます。
しかし、インプラントは顎の骨に直接固定されるため、骨に適切な刺激を与え、骨の吸収の防止が可能です。
さらに、顔の輪郭や口元の美しさを維持もできるため、老化の進行を遅らせられます。
手術後の回復が早い
若年層の方は、インプラントと骨の結合がスムーズに進むケースが多く、日常生活への復帰もスムーズです。
免疫力や代謝が高いため、インプラント手術後の回復も早い傾向にあります。
また、高齢者に比べて傷の治癒が早く、感染症のリスクも低減されます。
定期的なメインテナンスを習慣化しやすい
若いうちに通院やセルフケアを継続することで、定期的なメインテナンスの習慣化がしやすいです。
インプラントの健康を維持しやすくなるため、将来的にも治療の成功が期待できます。
まとめ
インプラントは、若い方でも顎の骨の成長が止まっている18歳以上の方であれば、基本的に治療が可能です。
治療における年齢制限はありませんが、インプラントができないケースもあるため、事前に歯科医師への相談がおすすめです。
久喜総合歯科では「毎週月曜日、水曜日、土曜日」に、インプラントを検討している方を対象とした無料相談会を実施しております。
また、インプラントをはじめ、入れ歯や審美歯科など、患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。
もし将来の再治療のリスクをできるだけ軽減しながら、安心してインプラント治療を受けたい方はぜひお気軽にご相談ください。