「親知らず4本を同時に抜歯できる?」
「親知らず4本を抜歯するメリット・デメリットが知りたい」
「治療を受けた後の生活にどのような影響があるのか知りたい」
上記の疑問をお持ちの方は、親知らずが4本生えており、同時に抜歯ができるのかお悩みがあるのではないでしょうか。
親知らず4本を同時に抜歯できるかどうかは、個人の口腔内や健康状態で異なります。
本記事では、「親知らず4本を同時に抜歯できるのか、抜歯するメリット・デメリット」を紹介します。
親知らず4本を抜歯するための方法まで紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
親知らず抜歯とは
親知らずとは、前から数えて「8番目の最後の歯」のことです。親知らずについて、以下に紹介していきます。
- 親知らず4本を同時に抜歯できる?
- 親知らずが4本生える人の割合について
- 親知らず4本は抜いた方が良いのか
それぞれ解説します。
また、親知らず抜歯についての詳細は「親知らず抜歯」をご覧ください。
親知らず4本を同時に抜歯できる?
親知らず4本を同時に抜歯できるのか、以下のとおり紹介していきます。
- 4本同時抜歯ができるケース
- 4本同時抜歯が難しいケース
ひとつずつ解説します。
4本同時抜歯ができるケース
親知らず4本の同時抜歯は、条件が整えば可能です。
たとえば、親知らずが比較的まっすぐに生えている場合、抜歯のリスクは低いです。
そのため、患者さん自身が短期集中での治療を強く希望する点も重要な要素です。
ただし、全身の健康状態が良好である点は、手術の安全性を確保するうえで必須の条件です。
これらの条件を満たす場合に、同時抜歯という選択肢が現実的になります。
4本同時抜歯が難しいケース
親知らずは、4本の同時抜歯が難しいケースも存在します。
そのため、安全を最優先し、分割しての抜歯が推奨される場合もあります。
具体的には、親知らずが骨の中に深く埋まる、横向きに生えるといった状態は抜歯の難易度を高めやすいです。
また、高血圧や糖尿病などの持病を持つ人は、手術中のリスク管理がより重要です。
患者さんの身体的負担を考慮した判断が下されます。
親知らずが4本生える人の割合について
親知らずの本数には個人差があり、4本すべてが生えるのは珍しくありません。
親知らずの有無や本数は、遺伝的要因が大きいと考えられています。
また、現代人における親知らず(第三大臼歯)が4本とも存在する人の割合は「3〜4割程度」です。
生まれつき親知らずがない人、1〜3本だけ生える人もいるため、4本生えていても特別なことではありません。
親知らず4本を抜いた方が良いのか
親知らず4本を抜いた方が良いのか、以下のとおり紹介していきます。
- 親知らず4本を抜いた方が良いケース
- 親知らず4本を抜かなくても良いケース
それぞれ解説します。
親知らず4本を抜いた方が良いケース
親知らずが4本あっても、すべて抜く必要はありません。
抜歯の判断は、親知らずの生え方や周囲の歯・顎への影響で決まりやすいです。
もし痛みや腫れの症状がなくても、将来問題を起こすリスクがある場合は抜歯が推奨されます。
ただし、問題なく機能している親知らずは、無理に抜く必要はありません。
これらは、歯科医師による的確な診断が重要です。
親知らず4本を抜かなくても良いケース
親知らずを抜いた方が良いのは、放置すると問題が生じる場合です。
親知らずが原因で手前の歯が虫歯や歯周病になっている状態は、抜歯の対象です。
また、歯並びを乱す原因になっている場合も、抜歯が検討されます。
歯ブラシが届かず不衛生な状態は、口臭や炎症の原因です。
口腔内全体の健康を守るため、抜歯が最善の選択となる場合があります。
親知らず4本を同時に抜歯するメリット
親知らず4本を同時に抜歯するメリットは、以下の5つです。
- 何度も歯医者に通う手間が省ける
- 歯の悩みを短期間で一気に解消できる
- 一番つらい“回復期間”を繰り返さずに済む
- 「また抜歯か…」という精神的ストレスを繰り返さない
- 結果的に治療費の節約につながる
それぞれ解説します。
何度も歯医者に通う手間が省ける
親知らずの同時抜歯は、通院の手間を大幅に削減できます。
たとえば、1本ずつの抜歯は複数回の通院が必要です。
カウンセリングや抜歯、消毒や抜糸を4本分繰り返した場合、合計で10回以上通院するケースもあります。
対して、4本同時抜歯は一連の手順が一度で完了するため、多忙で通院時間を確保できない人にはメリットです。
歯の悩みを短期間で一気に解消できる
4本同時抜歯は、親知らずに関する悩みを一挙に解決できます。
親知らずが原因の痛みや腫れ、口臭など複数の問題を抱える人も少なくありません。
不快な症状から一度の手術で解放されるため、治療後の回復期間を乗り越えることで、すっきりとした口腔環境が手に入ります。
長年の悩みを短期間で解消できる点は、大きな精神的メリットです。
一番つらい回復期間を繰り返さずに済む
抜歯後のつらい回復期間を一度で済ませられるのは、同時抜歯の利点です。
抜歯後の回復期間は痛みや腫れ、食事制限などを伴い、誰にとってもつらいものです。
たとえば、4本を別々に抜歯した場合、つらい期間を4回経験しますが、4本同時抜歯は回復期間が一度で済みます。
身体的、精神的につらい時期を一度で乗り越えられる点は、計り知れないメリットです。
「また抜歯か…」という精神的ストレスを繰り返さない
親知らずの4本同時抜歯は、抜歯への精神的ストレスを一度で終わらせられます。
多くの人は歯科治療、とくに抜歯に恐怖心を持っていますが、一度抜歯を経験すると「またあの痛みを…」という精神的ストレスを感じる場合もあります。
しかし、同時抜歯治療への不安や恐怖を何度も味わう必要はありません。
精神的負担を最小限に抑えたい人に有効な選択肢です。
結果的に治療費の節約につながる
親知らずの4本同時抜歯は、結果的に治療費の節約につながるケースがあります。
もし1本ずつ抜歯すると、都度、初診料や再診料が発生します。
しかし、費用を一度にまとめることで、複数回に分けて支払う総額よりも安くなる場合も多いです。
一度の支払額は高くなりますが、トータルコストで考えると経済的メリットがある点も知っておくと良いでしょう。
親知らず4本を同時に抜歯するデメリット
親知らず4本を同時に抜歯するデメリットは、以下の4つです。
- 長時間の治療で身体への負担が大きい
- 片側抜歯より腫れや痛みが強い
- 両奥で噛めず食事が難しい
- ドライソケットや神経麻痺のリスクがある
ひとつずつ解説します。
長時間の治療で身体への負担が大きい
親知らずの4本同時抜歯は、治療時間が長くなる傾向があります。
1本あたりの抜歯時間は短くても、4本分で合計1時間以上かかる場合があります。
長時間口を開け続ける行為は、顎や身体に大きな負担です。
とくに、体力に自信のない人や高齢者の場合、負担は無視できません。
そのため、治療中の身体的ストレスを考慮する必要があります。
片側抜歯より腫れや痛みが強い
4本同時抜歯は、片側ずつの抜歯より術後の腫れや痛みが強く出る傾向があります。
身体が受けるダメージが一度に集中し、炎症反応が大きく出やすいためです。
痛みや腫れのピークは術後2〜3日ですが、度合いが強くなる可能性があります。
日常生活への影響も大きくなるため、十分な安静期間の確保が不可欠です。
両奥で噛めず食事が難しい
親知らずの4本同時抜歯の最も現実的なデメリットは、食事の問題です。
左右両方の奥歯を同時に失うため、術後は固形物を噛むのが非常に困難です。
食事はおかゆ、ゼリー、スープなどが中心になり、数日間から1週間程度続く場合もあります。
栄養摂取の面、食事を楽しめない精神的ストレスも考慮すべき点です。
ドライソケットや神経麻痺のリスクがある
抜歯本数が増えると、偶発症のリスクが高まる可能性があります。
抜歯には、常に偶発症のリスクが伴います。
たとえば、「ドライソケット」や「下歯槽神経麻痺」が挙げられます。
ただし、発生頻度は低いものの、ゼロではありません。
リスクの可能性を理解したうえで、治療選択が必要です。
親知らず4本抜歯後の痛み・腫れのピークとダウンタイムの過ごし方
親知らず4本抜歯後の痛み・腫れのピークとダウンタイムの過ごし方を、紹介していきます。
- 痛みと腫れのピーク
- 痛みや腫れを和らげるセルフケア方法
- ダウンタイム中の食事で気をつけること
- 仕事や学校はいつから行けるのか
- 運動・飲酒・入浴などの制限と再開の目安
それぞれ解説します。
痛みと腫れのピーク
抜歯後の痛みと腫れのピークは、一般的に手術後48〜72時間(2〜3日後)に現れやすいです。
麻酔が切れる術後数時間から痛み始め、徐々に強くなります。
ピークを過ぎると、痛みや腫れは少しずつ引いていきます。
ピークの時期の把握は、心の準備につながり、過度な不安を減らすことが可能です。
とくに、処方された痛み止めの適切な使用が重要です。
痛みや腫れを和らげるセルフケア方法
痛みや腫れを和らげるには、セルフケアが非常に重要です。
歯科医師から処方された痛み止めや抗生物質は、指示通りに必ず服用してください。
腫れや熱感がある場合は、濡れタオルや冷却シートで頬の外側から冷やすと楽になります。
冷やしすぎは血行を悪くし、治りを遅らせるため注意が必要です。
安静にして、身体を休めるのが回復への近道です。
ダウンタイム中の食事で気をつけること
抜歯後のダウンタイム中の食事には、細心の注意が必要です。
抜歯当日は、麻酔が完全に切れるまで食事を控えます。
傷口を刺激しないよう、おかゆ、ヨーグルト、ゼリー飲料など、噛まずに食べられるものを選ぶのが望ましいです。
香辛料などの刺激物、硬い食べ物は絶対に避けてください。
ストローの使用は傷口のかさぶたが剥がれる原因になるため、控えるようにしましょう。
仕事や学校はいつから行けるのか
仕事や学校への復帰時期は、抜歯後の状態や業務内容で異なります。
身体的負担が少ないデスクワークは、翌日から可能な場合もあります。
一般的には、痛みや腫れのピークである術後2〜3日間の安静が理想です。
もし接客業や体を使う仕事の場合は、少し長めに休みを取ると安心です。
無理をせず、自分の体調と相談して判断します。
運動・飲酒・入浴などの制限と再開の目安
親知らずの抜歯後は、血行が良くなる行為を避ける必要があります。
具体的には、運動や飲酒、長時間の入浴は血流を促進し、痛みや腫れを悪化させたり、再出血の原因になったりします。
術後2〜3日は控え、できれば1週間程度は避けるのが望ましいです。
シャワーは当日から可能ですが、患部周辺は温めないよう注意します。
親知らず4本を抜歯するための方法
親知らず4本を抜歯するための方法は、以下の2つです。
- 静脈内鎮静法でうたた寝しながら乗り切る
- 全身麻酔で完全に眠って終える
ひとつずつ解説します。
静脈内鎮静法でうたた寝しながら乗り切る
静脈内鎮静法は、点滴で鎮静薬を投与する麻酔方法です。
完全に意識を失うわけではなく、うたた寝に近い非常にリラックスした状態になります。
静脈内鎮静法には、健忘効果があり、治療中の不快な音や振動をほとんど覚えていません。
そのため「気づいたら治療が終わっていた」と感じる人が多いです。
とくに、歯科治療への恐怖心が強い人に最適な方法です。
全身麻酔で完全に眠って終える
全身麻酔は、完全に意識と感覚がなくなった状態で手術をおこなう方法です。
主に、大学病院や総合病院など入院設備が整った医療機関で実施されます。
抜歯への恐怖が極度に強い場合、とくに難しい症例の抜歯で選択されます。
患者さんは痛みや恐怖をまったく感じず、眠っている間にすべての治療が完了できます。
全身麻酔は、心身への負担が非常に少ない方法です。
親知らず4本抜歯の治療の流れ
親知らず4本抜歯の治療の流れを以下にまとめました。
- STEP1:カウンセリングで相談し術前の検査を受ける
- STEP2:治療計画と麻酔について最終確認する
- STEP3:麻酔で痛みや恐怖を感じないようにする
- STEP4:親知らず4本の抜歯をおこなう
- STEP5:傷口を縫合し麻酔から覚めるまで休む
- STEP6:薬を受け取り抜糸の予約をする
それぞれ解説します。
STEP1:カウンセリングで相談し術前の検査を受ける
最初のステップは、歯科医師とのカウンセリングです。
抜歯に関する不安や疑問、希望を詳しく伝えたうえで、レントゲンや歯科用CTで精密検査をおこないます。
CT検査は、親知らずの形、生えている方向、神経や血管との位置関係を3次元的に把握できます。
検査結果は、安全な治療計画を立てるための基礎です。
STEP2:治療計画と麻酔について最終確認する
検査結果をもとに、歯科医師が具体的な治療計画を立案します。
たとえば、抜歯の方法や手術に伴うリスク、麻酔方法について詳細な説明があります。
患者さんは説明を十分に理解、納得したうえで治療に同意します(インフォームド・コンセント)。
最終的な治療方針を決定する大切なステップのため、疑問点はすべて解消しておくのが重要です。
STEP3:麻酔で痛みや恐怖を感じないようにする
手術当日、まず麻酔をおこないます。
計画に沿って、局所麻酔や静脈内鎮静法を実施します。
麻酔が十分に効いているのを確認してから治療を開始するため、患者さんは手術中に痛みを感じません。
また、静脈内鎮静法を用いる場合は、リラックスした状態で恐怖心も和らぎます。
安心して手術を受けられる環境を整える段階です。
STEP4:親知らず4本の抜歯をおこなう
麻酔が効いたら、抜歯手術開始です。
口腔外科を専門とする歯科医師が、立案した治療計画通りに処置を進めます。
親知らずの状況に応じ、歯を分割したり、周囲の骨を少し削ったりします。
専門医が丁寧かつ迅速に手術をおこなうため、身体への負担を最小限に抑えやすいです。
親知らず抜歯における、手術の中心となる重要なプロセスです。
STEP5:傷口を縫合し麻酔から覚めるまで休む
4本の親知らずをすべて抜き終えたあと、傷口を縫い合わせます。
縫合は出血を止めて傷の治りを早める効果があり、その後ガーゼを噛んで止血します。
また、静脈内鎮静法や全身麻酔をおこなった場合は、麻酔が覚めるまでリカバリールームなどで安静にして休みましょう。
スタッフが付き添い、安全に配慮しながら回復を待ちます。
STEP6:薬を受け取り抜糸の予約をする
麻酔から覚め、体調が安定したら帰宅の準備をします。
痛み止めや抗生物質などの薬が処方され、服用方法や術後の注意点の説明を受けます。
その際、次回の来院予約もおこないますが、抜糸は術後1週間から10日後が目安です。
これで、治療当日の全プロセスが完了します。
親知らず4本抜歯にかかる費用相場
親知らず4本抜歯にかかる費用相場を、以下のとおり紹介していきます。
- 保険診療(3割負担)の場合の費用
- 自由診療(静脈内鎮静法など)の場合の費用
- 抜歯以外に必要な費用(検査料・薬代など)
- 高額療養費制度と医療費控除について
ひとつずつ解説します。
保険診療(3割負担)の場合の費用
保険診療の費用は、親知らずの生え方で決まります。
まっすぐ生えている単純な抜歯は、1本あたり「1,500円〜5,000円程度」です。
また、骨に埋まっている難症例は、1本あたり「7,000円〜15,000円程度」かかります。
もし4本すべてが難症例だと、「6,000円〜20,000円前後」程度が目安です。
これらは、3割負担の場合の概算です。
自由診療(静脈内鎮静法など)の場合の費用
静脈内鎮静法などの特別な麻酔は、基本的に保険適用外の自由診療です。
費用は医療機関で異なりますが、「50,000円〜100,000円程度」が相場です。
抜歯費用(保険適用)に、自由診療費が上乗せされます。
治療の総額は高くなりますが、安心して治療を受けられる大きなメリットがあります。
抜歯以外に必要な費用(検査料・薬代など)
親知らず抜歯の費用以外にも、いくつかの費用が必要です。
たとえば、初診時には初診料、再診時には再診料がかかります。
また、レントゲンや歯科用CTなどの画像検査にも、費用が発生します。
さらに、術後に処方される痛み止めや抗生物質の薬代も別途必要です。
合計の費用を合わせると、総額はさらに「数千円〜1万円程度」上乗せされます。
高額療養費制度と医療費控除について
医療費の負担を軽減する公的制度があります。
具体的に「高額療養費制度」は、1カ月の医療費自己負担額が上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。
また「医療費控除」は、年間の医療費が10万円を超えた場合に、確定申告で所得税が還付される制度です。
これらの制度をうまく活用すると、経済的な負担を軽くできます。
親知らず4本同時抜歯後の注意点
親知らず4本同時抜歯後の注意点は、以下の4つです。
- 強い痛みや腫れが引かない場合
- 激しい痛みが続くドライソケットが疑われる場合
- 唇や顎の感覚が鈍い神経麻痺が残る場合
- すぐに病院へ連絡・受診すべき症状とは
それぞれ解説します。
強い痛みや腫れが引かない場合
親知らず抜歯後の痛みや腫れは、通常2〜3日をピークに徐々に落ち着きます。
しかし、1週間以上経っても痛みが引かない、または悪化する場合は注意が必要です。
たとえば、抜歯した傷口が細菌に感染している可能性があります。
痛みや腫れは我慢せず、手術を受けた歯科医院に速やかに連絡し、指示を仰いでください
激しい痛みが続くドライソケットが疑われる場合
親知らず抜歯後2〜3日経ち、耐え難いほどの激しい痛みが出てきたら「ドライソケット」かもしれません。
ドライソケットは、抜歯した穴の血餅(かさぶた)が剥がれ、骨が露出して起こります。
自然治癒は難しく、歯科医院での専門的な処置が必要です。
もし強い痛みが続く場合は、ためらわずに受診してください。
唇や顎の感覚が鈍い神経麻痺が残る場合
親知らず抜歯後、麻酔が切れても唇、顎、舌の感覚が鈍いままの場合、神経麻痺の可能性があります。
親知らずの根が、顎のなかの太い神経(下歯槽神経)に近接している場合に起こりやすい偶発症です。
多くは一時的ですが、回復には時間がかかる場合もあります。
症状が続く場合はすぐに医師に相談し、適切な治療を受けるのが大切です。
すぐに病院へ連絡・受診すべき症状とは
すぐに病院へ連絡・受診すべき症状は、以下のとおりです。
- 38度以上の高熱が続く
- 出血が全く止まらない
- 呼吸がしづらい
- 飲み込みができない
重篤な感染症やアレルギー反応の可能性があるため、緊急を要するサインです。
もし症状が現れた場合は、我慢せず、夜間や休日でも救急外来などを受診しましょう。
親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院・病院の選び方
親知らず4本抜歯で後悔しないための歯科医院・病院の選び方は、以下の5つです。
- 口腔外科の専門知識と経験が豊富である
- 安全な抜歯に不可欠な歯科用CTを完備している
- 希望する麻酔方法(静脈内鎮静法など)に対応している
- メリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれる
- 大学病院と一般歯科それぞれの違いを理解する
ひとつずつ解説します。
口腔外科の専門知識と経験が豊富である
親知らずの抜歯は、専門性の高い外科手術です。
そのため、骨に埋まっている難症例の抜歯は、高度な技術と知識を求められます。
日本口腔外科学会が認定する「口腔外科専門医」や「指導医」の資格を持つ医師の在籍は、ひとつの大きな指標です。
歯科医院の公式サイトやSNSなどで医師の経歴や実績を確認し、経験豊富な専門医を選ぶと安心です。
安全な抜歯に不可欠な歯科用CTを完備している
安全な抜歯をおこなううえで、歯科用CTの存在は不可欠です。
歯科用CTは、従来のレントゲンでは分からなかった神経や血管の位置を3次元的に正確に把握できます。
結果的に、手術中の神経損傷などのリスクを大幅に低減できます。
歯科用CT設備の完備は、医院が精密な診断と安全性を重視している証拠です。
希望する麻酔方法(静脈内鎮静法など)に対応している
親知らず4本同時抜歯のような身体的・精神的負担の大きい治療では、麻酔方法の選択肢が重要です。
とくに治療への恐怖心が強い人にとって、静脈内鎮静法は有効な選択肢です。
ただし、希望する麻酔方法に対応しているか、事前に確認する必要があります。
患者さんの不安に寄り添い、多様な選択肢を提供する医院を選びましょう。
メリットだけでなくリスクも丁寧に説明してくれる
信頼できる医師は、治療の良い面だけでなく、潜在的なリスクやデメリットも隠さず丁寧に説明してくれます。
具体的には、抜歯に伴う偶発症の可能性、術後の経過を具体的に話してくれるかが重要です。
患者さんが全情報を理解し、納得して治療法を選択する「インフォームド・コンセント」を大切にする姿勢を見極めましょう。
大学病院と一般歯科それぞれの違いを理解する
医療機関にはそれぞれ特徴があり、大学病院や総合病院などは、難症例や全身麻酔に対応できる設備と人員が整っています。
しかし、紹介状が必要、待ち時間が長いといった場合もあります。
一般の歯科医院は通いやすさ、相談のしやすさが利点ですが、対応できる症例に限りがある場合もあります。
自身の親知らずの状態に合わせ、最適な医療機関を選ぶのが大切です。
まとめ
親知らず4本の同時抜歯は、治療期間を短縮できるメリットがある一方、身体への負担が大きいデメリットも存在します。
ただし、親知らず4本を同時に抜歯できるかどうかは、個人の口腔内や健康状態で異なります。
また最終的には、歯科医院を受診しメリットとデメリットを十分に理解したうえで、慎重に判断が必要です。
久喜総合歯科では、親知らず抜歯をはじめ、インプラントや入れ歯、審美歯科など患者さんの状態に適したご提案・治療をおこなっております。
もし痛みや不安をできるだけ軽減しながら、安心して親知らずを抜歯したい方はぜひお気軽にご相談ください。